インタビュー

キッズコレッチオには、素敵な想いを持った人たちが集まっています。

#01 こども画伯 山谷淳子さん

こどもの絵をグラフィックでリデザインしアートへと変身させる、「こども画伯」の山谷淳子さんにお伺いしました。
「こども画伯」が生まれたきっかけはご自身のお子さんが保育園時代に書かれた1枚の絵。また、山谷さんが大切にしてきた「あること」も、お子さんたちと、お子さんが描かれる絵に影響を与えていたようです。取材当日もお子さんの作品をたくさんお持ちいただきました!

好きなことを好きなだけ、子どもの自由を尊重する

お子さんの絵、すばらしく上手ですよね。おいくつなんですか?

娘は、中3、小6、小4と3人います。この絵は真ん中の小6の娘が小5の時に描いたものです。夏休みの課題だったか、パソコン使って絵を描いてみたいと言い出して。真ん中の子は絵が好きで、勉強しているのかと思うと、絵を描いているってことがよくあります(笑)。

現在小6の娘さんが小5の時に描いたもの

デザインを仕事にされているお母様の影響なんでしょうか?

いや〜、私はイラストというか絵はあまり得意ではなくて。でも、祖父が絵を描くことが趣味だったので、私も中学か高校の時に、油絵のセットを買ってもらって描いていました。部活は陸上部だったので、あくまで家での趣味としてですが。
それと、祖父が印刷業を営んでいたおかげで、家にはいつもいろいろな紙が置いてあって、そこから紙がとにかく好きになったんです。特にレターセットをよく買っていました。ITOYAやLOFTへはしょっちゅう行っていましたね。それが今でも続いていて、家にはレターセットをはじめ、紙が沢山あります。一時、ロール紙型のイーゼルを置いて、好きに描かせていたこともありましたね。
あと、画集も手に取りやすい場所に置いてあります。メアリー・ブレア(『It’s small world』)などかわいいものから、竹久夢二など割と渋いものもまで。

常に、絵が描ける環境にあるということですね。

そうですね。絵を描いているときは、止めないようにしています。絵だけでなく、夢中になっていることは、好きなだけやらせます。勉強などやらなければならないことはその後でもいいかなと。

娘さんの絵をグラフィックアートにしたもの

相手を思い、気持ちを込めて作ったものは人の心を動かす

娘さん3人とも絵を描くのがお好きなんですか?

一番上と一番下は活発で、それぞれバレエとボルダリングを一生懸命にやっています。真ん中はインドア派で絵や音楽に興味が向いているようですね。
とはいえ、3人ともそれぞれ絵はなにかしら描いています。

こちらの合格祈願のだるまも可愛いですね。自作のブロックメモ入れのデザインもすごい!

これは、一番下が上2人の合格祈願に作ってくれました。今、折り紙で何かを作ることが好きで、1週間に1セットなくなるほどです。
ブロックメモ入れは、母の日にもらったんだったかな。こういった物も嬉しいんですけど、必ずつけてくれる手紙が嬉しいでんす。
身内だけでなく、お友達へのプレゼントにも必ず手紙やカードをつけて渡しています。私がそうだったというのもあるんですが。
「◯◯ちゃんは何色が好きだから、この便箋かな?」とか「可愛いものが好きだからこの絵柄かな?」とか、あーでもない、こーでもないと1つのカードを書くのにもかなり時間をかけています。相手を思ってのことなので、これにはとことん付き合うことにしています。
今はメールに慣れていますから、お手紙をあげたお友達の親御さんから驚いてご連絡を頂くこともあるんですよ。

物質以上のモノになる……。一種のコミニュケーションツールにもなりそうですね。

「子どもの想い」を残したい。カタチに残すことで子どもの自信にもつながる

山谷さんご自身も必ず手紙を書かれるんですか?

書きますね。レターセットが好きだったのはそれもあるんですが。小学校の頃、お誕生日にクラスみんなから手紙をもらえたんです。先生がちゃんと製本もしてくれて。でも、適当に書いた手紙ってわかるんですよね。幼いながらショックで、自分は一生懸命書こうと思ったんです。それが、子ども達にもつながっているのだと思います。
小さい時って、字が書けないから絵を描くじゃないですか。絵もぐちゃぐちゃだけど、子どもなりのアピールがあって。人のために絵を描くって、思いが詰まっていますよね。

では「こども画伯」を始められたきっかけは、お手紙ですか?

一番上の子が保育園の時に、「アラジンの波」という題の絵を描いてきたんです。単なる線がニョロニョロって感じの絵だったんですけど、そのタイトルをつけたところに、思いがあるんだろうなと思って、残したいと思いました。子どもって、顔から手が出ているとか、大人になったら絶対に描けない絵を描きますよね、それを残したいというのがありました。
実際、お母さんて子どもから手紙をもらうことってありますよね。そして大概がクシャクシャな紙に書かれていて(笑)。それを残したいというご依頼もあります。
先日は、70代のお母様が50代のお子さんの幼少期に描いた絵を持ってきてくださって。まっ茶色になっているんですけど、ずっと大切に持っていらしたんですね。

素敵なお話ですね。山谷さんご自身も、お子さんの絵などをキチンと残されていますよね。

学校で作品バッグというのを作ってくれたんですが、長期休みに入って家に持って帰ると、捨ててしまった親御さんがいたらしいんです。それを「捨てられちゃった」と先生に報告している子がいて。子どもは捨てられたことに傷ついているんですよね。なので、極力残すようにしています。かざばる立体ものは写真にとって、実物は処分する場合もあります。ただ、その際も本人の了解は得ます。

実際にグラフィックという形で残すことの反応はいかがですか?

うちの子たちは、カタチにして飾ることで自信がついて、より自由に絵を描くようになった気がします。自分自身では「たいしたことない」と思っている絵でも、実際に飾ると「飾られる価値があるんだ」と思えるようです。
私の友達は、子どもの絵を飾りたいけど、そのままリビングなどに飾るのはちょっと……と思っていたようなので、アートになることで飾れるから良いといってくれます。

「こども画伯」に込めた思いとはどんなものでしょうか?

先日、私の母の誕生日を盛大に祝おうと、孫全員に母の顔を描いてもらおうとしたんです。でも長女や次女はほうれい線まで書こうとする(笑)。結局一番年下の孫が描いた絵を中心に持ってきました。
歳を追うごとに、絵を良くしようとどうしても思ってしまうんでしょうね。子どもの時にしか描けないものを残すって、モノとしてもいいとは思うんですが、結局はそこにある想いが大事なんだと思います。この想いは子どもとの会話の一部なんでしょうね。子どもも、してくれたこと自体が嬉しくて大切にしてくれますから。

スタッフのコメント

お子さんの絵に、名前はもちろん、描かれた年齢など、できるだけ記録しているという山谷さん。そのファイルを前に話をされる姿に、深い愛情を感じました。

PROFILE

山谷淳子(こども画伯)

子どもの絵をおしゃれに飾れないだろうか?というお母さんの思いから始まった「こども画伯」。パワーがあり一生懸命さが詰まった絵を、グラフィックアートに仕上げます。